月間ニュースレター
2006年11月号 会社法について(第2回目)
みなさんこんにちは!
9月に引き続き会社法の紹介です。(第2回目)
会社法が施行! 経営新時代にお役立て下さい。
有限会社の廃止と合同会社(日本版LLC)の創設 |
Q1. 会社法では有限会社は廃止されると聞きましたが、既存の有限会社はどうなってしまうのですか?
A1. 「株式会社へ移行する」又は「特例有限会社として残る」のいずれかを選択することになります。
会社法では有限会社が廃止されて、株式会社に統合されます。したがって、会社法が施行された5月1日以降は、新規に有限会社を設立することができなくなりました。また、既存の有限会社は以下の2つのうちどちらかを選択することになります。
● 既存の有限会社は、会社法の施行により自動的に特例有限会社に移行しました。
● 特例有限会社は、有限会社の商号をそのまま使用することができます。また、商号変更等を行うことにより、いつでも新しい株式会社へ移行することができます。
そもそも、なぜ有限会社を廃止して株式会社制度に一本化したのか?
・・・商法上の株式会社の趣旨と実態がかけ離れてしまったため
Q2. 会社法で「合同会社(日本版LLC)」という新しい会社形態ができたと 聞きましたが、どのような特徴があるのですか?
社長のところでは「株式会社」にしますか?
それとも「特例有限会社」のままで行きますか? LLCやLLPについて聞いたことはありますか? |
会社設立手続きの簡素化 |
Q.会社法では会社の設立手続きが簡素化されたそうですが、どのようになったのですか?A. 「最低資本金制度の撤廃」「類似商号規制の廃止」
「払込金保管証明制度の廃止(発起設立の場合)」「株券の原則不発行」などの設立手続きの簡素化が行われています。
株式会社の設立に必要となる費用も大幅に軽減 |
● 事業所得課税から法人税等+給与所得課税(役員給与)となり、事業収入が多い場合には、法人成りが課税面で有利になるケースが多い。 |
● 個人と法人の2つの申告が必要となり、煩わしくなる。 |
会社設立手続きの簡素化により、 今後は新しい会社が続々と誕生していくことでしょう。 社長のところでも新規事業をおこされてはいかがでしょうか? |
自社株買取り(金庫株の取得)と生命保険の活用 |
Q. 会社法の施行により、さらに自社株の買取りがしやすくなったそうですが?
A. 自社株買取り(金庫株の取得)が、これまでの定期株主総会から臨時株主総会の決議でもよくなりました。さらに、相続人からの申し出だけではなく、定款に定めておけば、会社が相続人に対して自社株(譲渡制限株式に限る)の売渡請求も出せるようになりました。
自社株買取りに関する規制緩和の流れ |
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金庫株とは、会社が自社の株式を買い戻して手元に置くことを言います。 株券を手元の金庫にしまっておくところから「金庫株」と呼ばれています。 2001年(平成13年) 10月1日に商法が改正され、金庫株が解禁となりました。 これにより、会社は目的を問わずに、自社株を取得・保有できるようになりました。 |
自社株の買取りによる相続対策とは・・・
中小企業の社長の財産は、自社株が多くのウェイトを占めており、相続が発生した場合には、大部分の自社株が後継者(相続人)に渡ります。しかし、自社株の評価額は思っている以上に高額になることがあり、非上場株式の場合、簡単に売却することができず、後継者(相続人)は相続税の納税資金を準備することができないことが考えられます。そこで、会社が後継者(相続人)の相続した自社株の一部を買い取り、後継者(相続人)は、その売却代金を使って相続税の納税を行います。
なぜ生命保険が適しているのか・・・
自社株の取得にあたっては、「取得価格の総額が配当可能利益の範囲内であること」という取得財源規制があり、配当可能利益がでていなければ買い取ることが出来ません。
しかし、経営者が死亡したときに、会社に確実に利益が出ているとはかぎりません。そこで自社株買取資金は利益の出る方法で準備をする必要があります。その方法こそが生命保険なのです。
会社が契約者および死亡保険金受取人、社長が被保険者となる「定期保険」に加入します。
定期保険を選択するのは、支払った保険料が期間の経過に応じて損金算入でき、受け取った死亡保険金の全額または一部が雑収入(収益)となるからです。
会社法が施行され、さらに自社株の買取りがしやすくなりました。 自社株買取資金の準備に、生命保険を活用してみてはいかがでしょうか。 |
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