月間ニュースレター
2015年3月号 地震保険の基礎を知ろう
地震保険の基礎を知ろう
「ウィリアム王子が初来日 福島・宮城で被災者らと交流へ」…。
連日TVニュースに新聞記事において、英国のウィリアム王子の行動が日本を賑わせてくれました。
3.11の東日本大震災の復興がいっこうに進展せず、逆に風化しつつある日本人が震災について再認識することができました。ウィリアム王子の訪日は本当の感謝すべきことで、さらに地震保険の必要性を皆さまにお伝えしたいと決意した次第です。
付帯率58.1%、 加入率27.9%
付帯率58.1%、 加入率27.9%。これが2013年の我が国の地震保険の付帯率です。多いと見るか少ないと見るか。人それぞれ感じ方は違うでしょう。ただし、この数字は火災保険に加入している人が地震保険を付帯している比率で、日本人の58.1%が加入しているわけではありません。さらに詳しく見ると、全世帯に対して地震保険に加入している率は27.9%です。この事実を知ると、地震大国でありながら日本人は地震対策を十分に行っているとは言えない状況です。
理由は様々ですが、高齢化の影響もあって、火災保険の満期を迎えても地震保険どころか火災保険も更新せずに無保険のままでいる方が多いとも聞いています。
皆さまの安心のためにも、地震保険の100%加入を目指して日々正しい保険情報を提供したいと考えております。
地震保険は単独で加入できない
さて、地震保険の必要性を考える前に、地震保険の基本の仕組みについて説明しましょう。地震保険は火災保険に付帯する特約のため、地震保険だけ単独で加入することができません。そのため必ず火災保険に加入してセットで地震保険に加入しなければなりません。 では、なぜセットで加入しなくてはならないのでしょうか? その理由は地震保険が日本政府が主体となって推し進める公共的な保険だからです。そのため地震保険を販売しても保険会社や我々保険代理店には利益がほとんどありません。損保ジャパン日本興亜も含めて各社とも国によって定められた基本の保険料を請求できるだけで、保険会社の事務的な経費以外は地震保険を支払うための資金(責任準備金)として全て蓄えているのです。
地震保険はビジネス上の利益を度外視した国による方針でありますから、販売する保険会社に余計なコストをかけないために火災保険と同時に加入する流れになっているのです。
地震保険金の上限は火災保険の50%
地震保険の保険金は制度上火災保険の30%~50%と範囲が決められています。3,000万円の火災保険なら1,500円が地震保険の最高補償額になります。また保険金額には上限があって、建物では5,000万円、家財では1,000万円が地震保険の最大保険金額と定められています。
地震保険の支払は 「全損」「半損」「一部損」の3段階
地震保険の支払いは3段階となっています。地震の災害を受けたら全員が保険金を受け取れるわけではありません。損害状況に応じて、「全損」「半損」「一部損」の3つに区分されて支払うことになっているのです。全損なら保険金額の100%支払われ、半損なら50%、一部損なら5%支払われる制度になっています。
一部損の5%と半損の50%では支払額の差が大きくなっています。これは地震保険が大損害を受けた人を救うための方針であるためです。 地震保険は時価での計算となっていますので、保険金額を設定する際に再建過不足がないように細心の注意をしてください。この保険金額の相談こそ、地震保険の最大のポイントです。
地震で起きた火災は地震保険でしか支払われない
火災保険では火災や落雷、破裂・爆発、風・ひょう・雪災、水災、盗難、水漏れ、破損、汚損などの損害を補償します。加えて地震保険に加入すると、地震や津波、噴火の損害に対して保険金が支払われます。
注意したいのは地震による火災です。地震によって発生した火災の場合は地震保険に加入していないと保険金が支払われません。実は地震によって火災は多く引き起こされます。阪神淡路震災の際も地震保険に加入していなくて保険金が支払われない事例が多数ありました。
「液状化」被害も地震保険でカバー
被害状況を正確に認定されず、問題なっていた液状化被害。柱と基礎以外に大きく損害が見られないことが多く、半壊にも認定されず社会問題になっていました。それが東日本大震災をきっかけに損害調査方法が明確化されたのです。見た目の倒壊状態だけでなく、建築構造上に被害があれば液状化による「全損」と認定されることが多くなったのです。
海沿い、川沿い、地下水脈が通っている地域にとっては朗報です。
自動車の損害も補償するようになった
地震保険において、以前は自動車・貴金属・美術品は原則補償対象外でした。それが2012年1月から、自動車保険に「地震・噴火・津波車両全損時一時金特約」をつけることで、地震・噴火・津波によって自動車が全損になった場合に一時金として50万円(ただし、車両保険金額が50万円を下回る場合はその金額)を支払うことが可能となりました。安心が増えたわけです。
地震保険の加入は当たり前のこと
地震大国の日本。いつ起きるとも限らない地震や津波、噴火による損害に対してやはり地震保険に加入するべきです。持家に住んでいる人こそ建物と家財の両方に加入して万全の対策をするべきだと私は考えています。
説明してきた通り、地震保険は火災保険の50%の保険金までしか加入できません。もし全損して全額支払われた場合でも、保険だけで全て元の生活に戻すことはできないかもしれません。しかし、再建する土台として人生をやり直すことは十分できるはずです。
まさかの時のために、我々ライフラインのスタッフは真剣に相談させて頂きます。この機会にぜひ火災保険の証券をご持参ください。保険金額が妥当な設定かを診断します。
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